ファイル交換ソフトユーザーが急増したらしいですよ

 「ファイル交換ソフトユーザーが急増」──ACCS・レコ協など調査(ITmediaニュース - 2007年12月21日 18時08分 更新)というニュースを見つけました。久々にP2Pの話題をmixiで見つけ、休憩時間を使って勉強もせず書いてしまったのでせっかくだからこっちにも転載。引用文は全てニュースソースからです。

 調査は今年9月、モニターによるWebアンケート方式(有効回答2万301サンプル)とネットワークのクローリング(9月28日午後5時から24時間)で実施した。

 結構サンプル数が多いですね、アンケートサイト(マクロミルとか)使ったんでしょうか?
 クローリング調査は9/28(金)の24時間とのことですが、1週間ぐらい続けてくれたほうがもっと違った結果になったような気もします。大容量ファイル(ゲームとか)を目的とするなら休日前よりも平日家を出る前に起動させておくって人が多いように思いますが、どうなんでしょうね。

 アンケート調査によると、昨年9月以降にファイル交換ソフトを使ったことがある「現在利用者」の割合は9.6%(1943サンプル)。昨年6月調査の3.5%から6ポイント以上増えた。

 なんで今更増えるのか分かりませんが、確かにかなり増えています。
 仮に2007年9月の調査の数値が正常で、2006年6月の調査のときに落ちたと考えることもできますが、原因がよく分かりません。Winny作者の金子氏が逮捕されたのが2004年5月で、有罪判決が出たのが2006年12月。個人情報流出で世間様に衝撃を与えた通称「ケツ毛バーガー事件」が広く報道されたのが2006年10月。2006年6月辺りに何か大きなことでもありましたっけ・・・・・・。

 現在利用者が過去1年にダウンロードしたファイル数の平均は481ファイルで、昨年6月の194から約2.5倍に増えていた。内訳は「音楽関連」が平均211.3、「映像関連」が平均183.0と多かった。

 音楽に絞るとしてもアルバムに含まれるのが大体10〜20曲ですので、平均211.3ということは少なくてもアルバム10枚は・・・・・・あれ、そんな多くないや。仮に1アルバムを圧縮しているのを1ファイルと考えたら異常に多くなりますけど。
 映像関連っていうのはアニメが主流で、映画が次点ですかね。

 主に利用しているソフトは「Winny」27.0%、「Limewire」18.8%、「WinMX」15.0%、「Cabos」13.1%、「Share」11.0%の順だった。

 BitTorrentが抜けているのはご愛嬌ってところでしょうか。BTは確かに通常のファイルの配布に使われていることが多いように見えますが、やっぱり違法ファイルもそこそこにあるんですよね、探すのが面倒なだけで。
 LimewireCabosは同一ネットワークを使っていたような気がするのですが、違いましたっけ?

 昨年8月以前にユーザーだった「過去利用者」が利用をやめた理由は「ウイルスや自分のPCの情報が流出するのが不安になった」(32.6%)、「著作権侵害などの問題がある」(31.3%)が多かった。

 山田系ウィルスの恐怖が一番多いんですね。ACCSは自身の活動よりもクラッカーのほうが抑止効果になっている現状を恥じたほうがいいと思います。

 クローリング調査によると、「Winny2」のノード数は約26万4千件、流通ファイル数は約484万6千件。ファイル全体の51.4%が「著作物」だと推定した。

 「Share EX2」はノードが約20万件。ファイルは約54万9千件で、無許諾でアップロードされていると推定されるファイルが97.7%を占めるとしている。「WinMX3」も全体の21.4%が著作物と推定し、ほとんどが無許諾アップロードだとしている。

 著作物だと推定する根拠が気になります、一体どうやって推定したんでしょうか。ファイル名と中身が一緒だと仮定し、実際に流れているファイルのリストを生成してそれを分析するのが割と近い推定をすることが可能そうにも思います。
 それにしてもShareの流通ファイル量は少ない割に、無許諾ファイルが異様に多いですね。

 ACCSの久保田裕専務理事は「ユーザーの急増の原因を早急に分析するとともに、これまで以上に積極的に対策してく。意図的にアップロードしたユーザーを技術的に補足する環境も整ったことから、具体的な対応に積極的に乗り出す段階にある。また、Winnyなどは、ネットワークに参加した時点で違法な送信行為に加担してしまうという前提から、改めて利用をやめるよう強く求めていく」とコメントしている。

 その前提は個人的にはどうかと思いますが、上の数値を見ると、まぁ仕方の無いことかとも思えます。「意図的にアップロードしたユーザーを技術的に補足する環境も整った」というのはもう少し大きく取り上げてもいいような内容のように思うのですが、詳しくは報道されないのでしょうか。

 で、常々思っているのですが、もっとこういうニュースよりもSkypeJoostなどのP2P技術も注目したほうがいいと思うんですよ。だってこういうニュースのせいでP2P = 悪なように誤認してしまう人も少なからずいるはずですし。多分世の中にはSkypeP2P技術を使っていると知らない人も多いのではないでしょうか。
 技術が悪い、と思われるのは悲しいことです。
#Skypeファイル交換ソフトKaZaAの開発ノウハウを使って開発されたというのも有名な話
#Joostは日本ではマイナーだけど、Skypeのノウハウを使って開発されています